チャンピックスの効果は、タバコに対する欲求や喫煙による満足感を軽減させることです。ニコチン切れの不安やイライラを軽減し、もし誘惑に負けてタバコを吸ってしまったとしてもまずいと感じさせます。
チャンピックスは主成分であるバレニクリンが脳神経に働きかけ、ニコチンの代わりに満足感をもたらします。また、ニコチンが体内に取り込まれないようにブロックし、喫煙時の満足感を低下させます。
チャンピックスが禁煙の成功率を高める効果は、日本国内で行われた臨床試験で実証されています。
チャンピックスは禁煙の成功率を高める効果があります

チャンピックスは禁煙にともなう離脱症状(イライラ、不安、集中力の低下など)を緩和すると共にタバコをまずく感じさせ、無理なく禁煙を成功に導く効果があります。
チャンピックスの効果が出る期間は個人差がありますが、一般的には服用開始後8日目から実感できるようになります。これは服用開始から最初の一週間が禁煙の準備期間で服用量が少なくなるためです。準備期間中はチャンピックスを服用しながらタバコを吸っても構いませんが、タバコがまずく感じられたら効果が出ている証拠ですのでいつでも禁煙を開始できます。

いきなりスパッとタバコをやめられるか正直不安だったけど、薬の効果を確認しながらタバコを吸えるのは助かる!
チャンピックスの成功率を示した臨床データ
チャンピックスの主成分バレニクリンが示した臨床データによると、日本国内で行われた臨床試験で同成分を投与した被験者はプラセボ(薬効成分を含まない偽薬)よりも明確に成功率が高いことが実証されています。

臨床試験は12週間(禁煙治療で実際にチャンピックスを服用する期間)にわたって薬の投与が行われ、バレニクリンのグループとプラセボのグループでそれぞれ禁煙成功率が計測されました。
服用開始から9~12週にかけての4週間に禁煙が持続(成功)した被検者の割合は、バレニクリン1mgを1日2回投与したグループが65.4%(130人中85人)で、プラセボを投与したグループがで39.5%(129人中51人)となりました。
服用開始から9~52週にかけての44週間に禁煙が持続(成功)した被検者の割合は、バレニクリン1mgを1日2回投与したグループが34.6%(130人中45人)で、プラセボを投与したグループがで23.3%(129人中30人)となりました。
これらの結果から、バレニクリンで禁煙に成功した被検者の割合は、プラセボのおよそ1.5~1.6倍ほど高いことがわかります。
参考:チャンピックス添付文書
チャンピックスはあくまで禁煙を手助けする補助薬

臨床データの数字が示している通り、チャンピックスを飲めば100%安心して禁煙できる、というわけではありません。チャンピックスの服用期間は4ヶ月であり、この期間を終えた後が薬に頼らない本当の意味での禁煙開始と言えます。
チャンピックスを薦めているクリニックや通販サイトではあまり明記されていませんが、チャンピックスの服用期間を満了した4ヶ月目で禁煙に成功している人のうちおよそ半数近くが、服用1年後に禁煙に失敗(喫煙)しています。
タバコの誘惑は予測不能かつ衝動的であり、忘れた頃に思いも寄らないタイミングで喫煙欲求にかきたてられる事があります。一度失敗したからと言って、薬が効かなかったと決めつけず、あくまでチャンピックスはご自身の禁煙意思を補助するための薬であると考えることが大切です。

チャンピックスはあくまで、我慢できないような苦痛や欲求を和らげて禁煙を成功しやすくする薬、という事だね。
チャンピックスはニコチンの代わりに脳へ働きかけます
出典:白根耳鼻咽喉科 広島県安芸郡府中町にある耳鼻科
チャンピックスの主成分バレニクリンは、脳神経のニコチン受容体と呼ばれる器官に結合する作用機序があります。ニコチン受容体は、タバコを吸った時にニコチンを体内に取り入れる器官です。バレニクリンはニコチンよりも先に受容体と結合することで、ニコチンとの結合を競合阻害という形でブロックします。
ニコチン受容体がブロックされている状態ですので、喫煙をしてもニコチンが脳に取り込まれなくなります。バレニクリンの服用中にタバコを吸うと、満足感が得られなくなり、タバコがまずく感じられるようになります。
バレニクリンがニコチン受容体と結合すると、ニコチンの代わりに脳へと働きかけ、少量のドパミンが放出されます。
ドパミンは快楽に関係する神経伝達物質であり、ニコチンが受容体から体内に取り入れると大量に放出されます。ドパミンの放出によって喫煙時の満足感がもたらされますが、慢性的に喫煙を続けるとドパミンに対する欲求が次第に強くなっていき、ニコチン依存症となります。依存症になると、タバコを吸わないでいる状態を保つことが苦痛となり、いわゆるニコチン切れ状態となってイライラや不安などの離脱症状を引き起こします。
バレニクリンが上記のように少量のドパミンを放出することで、ニコチン切れによる離脱症状を軽減することができます。
チャンピックスは24時間で血中濃度半減期となり、効果が無くなって腎臓から排出されます。服用期間中に定められた用量で飲み続ければ、効果は安定して継続します。