チャンピックスの飲み方は少量から飲み始めて薬に体を慣らし、段階的に増量していく方式です。最初の2週間のみスターターパックを使用し、3周目からメンテナンスパックに切り替えてそのまま最終週(12週目)まで毎日飲み続けます。
チャンピックスの注意点として、アルコールと同時に摂取すると相互作用を起こして互いの作用を強めあってしまいます。チャンピックスの服用期間中はお酒を控えましょう。
チャンピックスを飲み忘れた場合は、2回分を同時に飲まず、飲み忘れた分だけを飲むか1回分飛ばすかのどちらかにしましょう。過剰に飲んでしまった場合、嘔吐などの異常がみられたら服用を中止して医療機関を受診してください。
チャンピックスの基本的な飲み方(用法・用量)
出典:禁煙補助薬バレニクリンの使い方 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
チャンピックスの用法・用量は0.5~1mg(白と青の錠剤をそれぞれ1錠)を1日1~2回、食後に服用します。副作用(主に吐き気)を抑えるために、コップ1杯もしくはそれよりも多めの水やぬるま湯と一緒に飲んでください。
チャンピックスにはスターターパックとメンテナンスパックの2種類があり、錠剤の成分量が異なります。最初の2週間は成分量が少なめのスターターパックを使い、3週目から12週目までは通常量のメンテナンスパックを使います。
自己判断でチャンピックスの服用を中止したり、量を加減すると十分な効果が出ませんので、必ず定められた量を12週分飲みきってください。
チャンピックスを使った禁煙治療の流れは、まず意思を固めて禁煙を開始する日を決めることから始めます。チャンピックスは禁煙開始日の1週間前から飲み始めます。
スターターパックを開封すると箱とシートが一体となっており、青と黄緑のシートにそれぞれ1週目と2週目に服用する分の錠剤が入っています。錠剤の横に日付が記載されているので、上から順番に飲んでいきます。
服用1日目~7日目は禁煙の準備期間です。

1週目は青のシートに入っている白い錠剤(0.5mg錠)を1日1回からスタートし、朝夕いずれかの食後に服用します。4日目からは服用回数を1日2回に増やして朝夕食後に服用します。効果を安定させるためにも毎日きまった時間に飲み、服用間隔を均等に保ちましょう。
白い錠剤を飲んでいる期間は禁煙の準備期間ですので、チャンピックスを服用しながらタバコを吸っても構いません。タバコを吸ってまずく感じるようになったり、タバコを吸いたい欲求が少しでも薄れてきたら、チャンピックスの効果が出始めていますので、準備期間中でも禁煙開始ができます。
服用8日目から本格的な禁煙を行います。

青いシートの7日分が終わりましたら、8日目がいよいよ禁煙開始日となります。8日目からは黄緑色のシートに入っている水色の錠剤(1mg)に切り替え、1日2回を服用期間ずっと飲み続けます。スターターパック(2週間分)を使い終えたら、3周目からはメンテナンスパックに切り替えて5箱分(10周分)を服用します。
途中で喫煙せずに12週の服用期間を完了したらひとまず禁煙治療は成功となり、禁煙外来では修了証が授与されます。禁煙治療を終えた日からは、薬に頼らない本当の禁煙生活が始まります。
チャンピックスとお酒を一緒に飲んではいけません。

チャンピックスで気をつけるべき飲み合わせはお酒です。チャンピックスの主成分バレニクリンはアルコールとの相互作用を起こし、一緒に飲むとお互いに作用を強め合う危険な状態になります。アルコールによってチャンピックスの副作用が強まると共に、チャンピックスによってお酒が回りやすくなります。
米国FDA(日本国内での厚生労働省に該当する機関)は2015年に、チャンピックスとアルコールの相互作用による危険性を警告しました。FDAによると、チャンピックスの服用期間中はアルコール耐性が弱くなり、お酒と一緒に飲んだ患者がまれに発作を起こす例が報告されているとの事でした。
このことから、チャンピックスの服用中は基本的にお酒を控えることが大切です。やむを得ず飲酒する場合はチャンピックスがアルコール耐性にどれだけ影響をおよぼすか計り知るまで酒の量を控え、お酒と一緒に飲んで発作を起こした場合はただちにチャンピックスの服用を中止して医師の診断を受けましょう。
チャンピックスは酒がまずくなる作用もあります。
チャンピックスの服用中にお酒を飲んだ場合、お酒が服用前に比べてまずく感じる事があります。チャンピックスが作用を及ぼすニコチン受容体(ニコチン性アセチルコリン受容体)はアルコール依存症にも関係していると考えられており、アルコール依存症の治療に対しても効果が期待できるとされています。
米国では主成分バレニクリンにおいて、アルコール依存症を対象とした臨床試験が行われました。その結果、バレニクリンを服用した患者はプラセボ(偽薬)を服用した患者に比べ、大量飲酒をした日が減少したことが確認されました。
チャンピックスで禁煙を行うと、副効果として飲酒量の減少およびアルコール依存症の軽減も期待できます。
参考:禁煙補助薬でアルコール依存症が治る? 有効性示される|Medical Tribune

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チャンピックスの飲み忘れ、飲みすぎに関して

チャンピックスを飲み忘れた場合、気がついた時に飲み忘れた分だけを飲んでください。ただし次に服用する時間が近い場合は、1回分を飛ばして次の分のみを通常通りに飲んでください。
2回分を一度に飲むと、副作用が出やすくなったり症状が強まる恐れがあります。同様に、服用開始からメンテナンスパックを使用したり1mgから服用開始した場合も副作用のリスクが高まります。
チャンピックスは脳に働きかける薬ですので、少量から摂取して体を薬に慣らしながら徐々に服用量を増やしていく事が大切です。効きめに対する不安や過去に使用していた事があるからといった理由で、勝手に服用量を増やすようなことはおやめください。
もし多めに飲んでしまった場合、嘔吐などの異常を感じたらチャンピックスの服用を中止し、すぐにお近くの医療機関を受診してください。

チャンピックスは過去の服用経験や効きめの有無で量を増減するようなタイプの薬ではないという事だね。